日本マーケティング学会が発行する学会誌マーケティング・ジャーナルに、執筆したケースが掲載されました。
タイトル「石津謙介とヴァン・ヂャケットが創出した価値の再考」
マーケティングジャーナル, 2020-2021, 40 巻, 4 号, p. 84-93, 公開日 2021/03/31
日本のライフスタイルに大きな影響を与えたファッションブランド、ヴァン・ヂャケット(1954–1978)と、創業者の一人である石津謙介氏(1911–2005)を取り上げたケースです。
50代以上の男性にとってVANは、憧れのブランドだったという方も多いかと思います。卓越した発想力で新しい顧客と価値を創造し、様々なマーケティング手法を駆使して頂点に上りつめたVANですが、その存在は顧客の高齢化に伴い失われつつあります。ケースでは、当時の先駆的なマーケティングを記述すると同時に、VANの文化について掘り下げました。従業員や顧客は、VANという学校に入学した順に後輩から先輩になりOBになっていくという構造が、会社やブランドとの一体感を醸成した点を指摘しています。青山をVAN TOWNに変え、ファッションの街としての礎を築いたVANが創出した価値の再評価を行っています。
日本マーケティング学会WEBサイトよりダウンロード(PDF)
ケースの執筆にあたっては、石津謙介氏の長男の石津祥介氏、孫の石津塁氏、元VAN社員・吉田尚暉氏からお話を伺いました。また、VAN SITE内の豊富な公開資料を参考にさせていただきました。心から感謝を申し上げます。