青山ビジネススクールの「マーケティング戦略」では、ブロックチェーンやメタバース、NFTの技術を使ったマーケティング戦略について全15回の授業を行ってきました。学生たちは、基本的なweb3の知識を得たのち、地域創生を踏まえた活用事例を研究し、最後の5回で屋久島Web3プロジェクトを実施しました。
テーマは屋久島の地域創生。屋久島がweb3の技術と人材を活用しながら、長期的な視点で誘客をしたり、税収を増やしたり、関係人口を増加させることを目的に、マーケティング戦略策定を行う、というものです。屋久島の観光協会、ガイド、宿泊、物販などの関係者の皆様がオンラインで授業に参加し、授業最終回に6つのグループが提案を行いました。
プロジェクト開始に先立ち、屋久島に視察に行きました。屋久島といえば屋久杉ですが、有名な縄文杉だけでなくたくさんの資源がありました。トビウオが名物だったり、ウミガメの産卵場所だったり、水力発電100%だったり、おいしい焼酎があったり。島は観光客数の上限がありますので、オーバーツーリズムの問題はそれほど大きくないとのことでしたが、冬場の観光客低下や、自然を守りつつ魅力を伝える難しさという課題を感じていらっしゃいました。
学生は6グループに分かれて、マーケティング戦略の立案を行いました。地域住民を巻き込んだDAOを作りウミガメの産卵・孵化を観光資源にする案や、環境保全の先進地としてのブランディング、焼酎NFTの発行、釣りをリアルとメタバースで行いトークンを発行する、ジブリの作品ででてくるような森であることをアピールする、ARでポケモンGOならぬ屋久島GO、VTuberを作成しメタバースで展開するなどの案がでてきて、大変面白かったです。
発表の最後には、屋久島からのお土産が最優秀グループ、優勝グループに配布されました。1番の賞品は、屋久島名物のタンカン1箱。これは2月後半に配送されるそうです。(屋久島で飲んだタンカンジュース、とても美味しかった。)また、Connectiv株式会社様のご協力で、参加学生には「感謝状SBT」が発行されました。授業を受講した記念になりました。ありがとうございます。
プロジェクトに先立ち、第5回から第7回の授業内では、web3の利用の現状を知るために、NFTプロジェクトのファウンダーの方々にご講演もいただきました。HamCapDAOのほんてぃさん、CNPGのTanioさん、3DLLのbakuさん、ありがとうございました。コミュニティデザインの重要性やメタバースの活用、活動地域での交流など、大変参考になりました。
授業の感想を、ほんの一部ですが、紹介します。
・ Web3 技術が地域再開発にどれだけのポテンシャルを秘めているかに驚かされた。分散型アプリケーションやNFT などの新たなアプローチを用い、屋久島の魅力を世界に発信できる可能性を垣間見た。これによって観光業だけでなく、地元経済全体が活性化される可能性を感じた。
・ 今後企業したり事業を構築する上で、web3を活用するという新たな手段を視野に入れることができたのは、大きな収穫だった。
・ 講義が実践的であり、学生が現実のビジネス環境で直面する問題に取り組むための実践的な知識をスキルを提供していた。単に理論を学ぶだけでなく、即戦力となる人材を育成するための効果的なアプローチであった。
・ 今年からIT企業に入るので、事前にこの授業を受けてよかったと思っている。従来のマーケティング戦略とweb3の結合が気になっている。
web3マーケティングの授業は今回が初めてで、チャレンジングな取り組みでしたが、受講者からの満足度も高かったようで安心しました。屋久島および一般社団法人日本NFTツーリズム協会のみなさま、ご協力いただきありがとうございました。
屋久島観光協会 https://yakukan.jp/
一般社団法人日本NFTツーリズム協会 https://nfttourism.net/
Connectiv株式会社 https://connectiv.jp/
追記:青山ビジネススクールのサイトにも掲載されました。
||| Aoyama Business School・青山学院大学 大学院 国際マネジメント研究科 ||| (aoyamabs.jp)